スタンド看板の開発物語

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スタンド看板の開発物語

初めは街中や店舗を見てかっこいい看板をつくろうとデザインしました。面板が全面にある241の前身である、646という商品、1999年のことです。

241 C 450×1200

この商品は単体で企画しました。単純にこの商品だけを追加するというやり方です。つくりは少し複雑でしたがデザイン的にはインパクトがあり、インクジェット出力で面板全面プリンティングすると迫力のある看板になりました。ちょうどインクジェット出力が看板業界に導入され始めていた時期を同じくしての発売だったので、評判はよかったのです。

ただ注文は看板屋さんからではなく、店舗設計業者さんやディスプレイ業者さんが多かったように記憶しています。当時お付き合いのあった得意先の方に使っていただけただけで、看板屋さんの業界で使ってもらうまでは至らなかったのです。

屋外で使うスタンド看板ですから、何とか看板屋さんにも使っていただきたい、看板屋さんのお役に立ちたいと思っていましたが、受け入れてもらえない日々が続きました。

パネルのベルクがスタンド看板を開発した理由

アルミ複合板の登場とインクジェット出力の普及がきっかけでした。グラフィックで様々なデザインを施すことが可能になり、看板のデザイン革命が起きるだろうと予想し、看板本体もかっこいいものにした方がいいと思いました。

お店の顔であるスタンド看板にはお店のイメージを左右する重要な役割があり、看板をよくすることはお店の役に立ち、喜んでもらえる。重要であるにも関わらず、当時はシンプルでかっこいい看板が見当たらない(個性的で面白い看板はありました)。我々のアルミを使ったフレーム技術が面板主体の看板にも活かせる。

…などの理由が重なり、それであればと開発を決めたのです。垂木にトタンを巻いた、手書きの絵や文字用の看板であればやらなかったと思います。

世の中の看板をもっと便利に、もっときれいにしたいという理想を掲げ開発を一からやり直しました。スタンド看板というものを一から考え、どういうスタイルがいいのだろうかと街中を見て回りました。

1999年の646は単体の商品でしたが、ここではポスターパネル同様、商品単体で開発するのではなくスタンド看板全体としてあるべき姿を想像しました。

定義はアルミ複合版を面板に使用した非内照のスタンド看板。スタンド看板の基本形をデザインするというもの。

アルモードとしてデザインするので、シンプルでスマートなデザインにしようと努めました。単純な意匠デザインだけでなく機能性も持たせたいと面板の出し入れができ、折りたためる簡単便利な機能性が売りのクイックスタンドというコンセプトで開発しました。

形はA型、L型、T型、I型でそれぞれ同じ材料で仕上げていきました。2000年に完成しました。

看板屋さん開拓物語

2001年発刊のアルモードvol.3に掲載し、本格的に販売を開始します。壁面看板では新たに開発した細身の631の登場で採用していただける看板屋さんが増える中、スタンド看板はいくつかの看板屋さんで採用してもらいましたが、まだまだ少ない数でした。

看板屋さんに話を聞くと、面板の出し入れはいらない。L型、T型は折りたたみ機能はいらない。きゃしゃだ。上部の角が角ばっていて危険。…などの意見がありました。中にはシンプルでいいとか、斬新でおもしろいと言っていただけるところもありましたが、おおむね不評でした。

1番多かったのは、「わしらの仕事を奪うのか」というものでした。

当時看板屋さんは木材の垂木を切って組み立て、ペンキを塗ってトタンを巻いて看板を手作りされていて看板製作も稼ぎの一部だったのです。思ってもみない言葉に愕然としました。

私は1つ1つ手作りするのが大変で、相当効率の悪い仕事ではないか、垂木の看板ではお店もかっこよくならず困っているのではないかと思い、何とかお役に立って喜んでもらいたいと考えていたからです。看板屋さんの考えはわかりませんでしたが、少なくともお店の方にはその方がいいと思っていました。

しかし、看板屋さんの中には儲けを重視されてその先のお客さんのことまで考えが及ばない方も多くいらっしゃいました。これはどこの業界でも同じことで、残念でなりませんでしたがよくある事例のようです。

看板屋さんの仕事は面板デザインから製作、看板の取り付け、保守点検など多岐にわたります。場に合わせてサイズの異なる看板を用意しなければなりません。景観や外観に合わせてデザインして、かつキャッチや集客を図らなければならないので技術的にも仕事量的にも大変な仕事です。少しでもその仕事の付加価値を上げてもらいたい、お役に立ちたいという思いはなかなか届きませんでした。

それでも諦めずに飛び込み営業で全国を行脚して回り、看板商品を紹介して回りました。

2代目を継いだ若い社長さん、デザインや道理のわかる方などが評価してくださり、(あんたは熱心だねとよく言われたので、中にはしつこい営業に根負けした方もいたかもしれませんが)アルモードのファンが増えていきました。当時看板業界の未来を熱く語り合った方々は今では業界の重鎮として活躍されておられます。

壁面看板では現在につながる看板フレームの開発が進み、発売した商品が好調に売れていき、だんだん看板屋さんとの取引が広がっていきました。スタンド看板も諦めずに改良した商品を出します。

2002年、アルモードvol.4のカタログに掲載したシンプルでスマートなA型、L型、T型、I型看板、3度目の正直です。それなりに採用していただける率が増えてきました。商品はだいぶん洗練されていきましたが、統一感がなくデザインがバラバラでした。

ターニングポイント

商品のカテゴリーを全面的に見直し、サインディスプレイ業界の基本形をデザインします。アルモードカタログvol.5の発刊、2004年のことです。スタンド看板も全面的にデザインを見直します。現在の商品がこの時、企画開発されました。

A型スタンドの名作240の前身である247もその中にありました。4度目の正直です。

240 W 450×900

商品の品ぞろえが倍増し、見せ方を変えた効果も加わり大きく飛躍していきます。スタンド看板商品も看板屋さんはもちろんのこと、店舗設計屋さん、ディスプレイ業者さん、建築設計業者さんまで多くの方に使っていただいております。

240 K 450×900

以前「俺たちの仕事を奪うのか」とおっしゃっていた看板屋さんも「うちも扱うことにするよ、こっちの方がいいもんね。」と言ってくださいました。看板屋さんにアルモードを扱ってもらいたいと考えだしてから6年、スタンド看板の開発を始めてから5年の歳月が経っていました。


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